
日本のスーパーゼネコン5社の一角を占める大成建設株式会社は、国内はもちろん、海外でも数々の大規模な建築土木工事を行ってきた。海外事業のさらなる強化を目指したグローバル人材の育成に取り組む中、ベルリッツの海外勤務者向け研修導入の狙いと効果、見据えるビジョンについて伺った。

管理本部 人事部 人材いきいき推進室長 塩入 徹弥氏(左)
管理本部 人事部 人材いきいき推進室 課長代理 北詰 高太郎氏(右)

管理本部
人事部 人材いきいき推進室長
塩入 徹弥氏
2013年10月29日。トルコ共和国建国90周年の記念日に、アジアとヨーロッパを結ぶ「ポスポラス海峡横断地下鉄」の開通式が開催された。歴史的な大プロジェクトの陰には、2004年から、トルコの建設会社とともに「ポスポラス海峡横断鉄道トンネル工事」を行ってきた大成建設株式会社の存在があった。
人事部・塩入徹弥氏は語る。「世界最深となる60mの海底に沈埋トンネルを敷設するには高い技術力を有しました。加えて、工事中に文化財が発掘されるなど歴史都市ならではの難しさもあり、期間中は現地国とのきめ細やかな対応が要求されました。」
1962年のインドネシアにおけるホテル建設を皮切りに、世界各国で事業を展開してきた大成建設。事業の成長とともに現地で働く人材に求められる力も変化してきたという。
「以前までは、現地でのOJTが中心でした。しかし、事業も複雑化し、よりハードなネゴシエーションの場面が増えている今、専門的なスキル修得の必要性を強く感じています。」
すでに海外で勤務している人材のさらなるスキルアップを目指す。そのために導入したのがベルリッツの2つのグローバル人材向け研修だった。
その1つ、「グローバルチーミング&パフォーマンスマネジメント」の受講経験者でもある人事部・北詰高太郎氏は体系的に学ぶことの有効さを強調する。
「研修では、異文化理解に加えて、どうすれば上手く仕事を進められるか、その手法まで学びます。トルコ勤務時代に異文化で働く難しさを痛感していましたが、体系的に学んだことで自分に足りなかったことが客観的にわかりました。一気に視野が広がりましたね。もちろん、学んだスキルが即実務に活かせることも明確でした。」
その成果は、すぐにあらわれた。人事部として、インドネシア人や韓国人のスタッフを巻き込み日本と海外との相互理解を深める研修を企画、実施しているという。日々さまざまな課題に直面する中、その対応法を効率的に身につけるには、実践で鍛えるOJTだけでは少し時間が足りないのかもしれない。

管理本部
人事部 人材いきいき推進室
課長代理
北詰 高太郎氏
先の研修を終えると次に行うのが「グローバル・ネゴシエーション」現地スタッフやオーナーなどに対応するために必要なネゴシエーションスキルを磨く研修である。
北詰氏は語る。「建設は何も無い所から何かをつくる仕事。そのいずれもが長期的なプロジェクトばかりです。0を1にする際の障壁の多さや、時間とともに発生するさまざまな変化にも対応していかねばならない。現場ではハードな交渉の連続です。」
塩入氏も続ける。「我々の事業の特徴の一つは、インフラが未整備な発展途上国での活動が多いこと。当然、図太さも必要ですが、それはなかなか教えて身につけられるものではありません。だからこそ、高度なネゴシエーションスキルを身につけることが必要なのです。」
研修では、各国から集まった海外事業の社員たちが、実際のシチュエーションをテーマにシミュレーションを行う。北詰氏は、ベルリッツのよさはカスタマイズできることだと語る。「汎用的なコンテンツでは受講者たちの実感が沸き難いかもしれません。身近な話題でこそ議論が活発になることもあるでしょう。逆に無関係なテーマにすることで、客観的に課題を見つけることもできる。状況やニーズに合わせて、オリジナルなシナリオをつくれるのは、研修として効果が期待できます。」
塩入氏は、ベルリッツの実績面を強調する。「長い間、多くから支持されてきたものには信頼があります。とりわけ語学力やスキルは継続してこそ身につくものですから。研修を受けた人材は、確実にスキルアップしています。今後は国内外を問わず、その数を少しずつ増やして、ボトムアップを図っていきたいですね。」
地図に残る仕事”を掲げる大成建設だからこそ、積み重ねることの大切さを知っているのだ。

大成建設株式会社
海外勤務
手島 嘉彦氏
